屈斜路湖畔のカフェ

屈斜路湖畔の仁伏(にぶし)に「カフェ花音(かのん)」がオープンしました。建物はかつて「仁伏ハット」という宿でしたが、もう何年も前に営業を止めていました。この度、新しいオーナー江里口さんのもと、新装開店となりました。湖からもほど近く、普段は静かな自然あふれる場所にあります。

さてこの建物、弟子屈町でも多くの人が訪れるあの建物と雰囲気が似てると思いませんか?そう、「道の駅 摩周温泉」です。実はこの2つの建物はどちらも同じ建築家の設計なのです。 故人ではありますが、大野泰弘氏が手掛けました。

道の駅の建物は当初「弟子屈欧羅巴民藝館」という西洋の古い家具などを展示する施設として設計されました。ですから、ヨーロッパの古い建物を想起させるようなデザインとなっています。特徴的なのは外壁において梁や柱が見える「ハーフティンバー」と呼ばれる様式をデザインに取り入れていることです。ただ、ヨーロッパの建物に比べ、緩い屋根の勾配や深く低い庇からは日本の古民家の雰囲気も感じられます。大きな屋根は雄大でのびやかな北海道の景色にマッチしています。和と洋が融合し、地域の風土にあったとても優れたデザインだと思います。
建物の大きさはかなり違いますが、2つの建物の外観にはこうした共通した特徴があります。ただ、内装においては、「花音」の建物のほうがより日本的な古民家の雰囲気が強く、古い囲炉裏もあります。

かつて、仁伏の地で真夏のこの時期に大勢の人があふれたことがありました。1983年と1984年の2回開催された「カムイトラノ」という野外のジャズイベントです。今はイチゴのハウスが建ち並んでいるところが会場でした。

これは第1回目のときのパンフレットです。赤塚不二夫さんと床ヌプリさんのプロデュースで、司会はタモリさん、日本のそうそうたるジャズプレイヤーが集まりました。
私は1984年8月4日、今から34年前の2回目の時に行きました。今日と同じように良いお天気で、でもそんなに暑くはなくさわやかな北海道らしい夏の日でした。本当に大勢の人が来ていて、イベントが終わったあと、バスに乗りきれない人達が川湯温泉の宿泊街までぞろぞろと歩いていたことを思い出します。川湯の町も当時と比べるとずいぶん寂しくなってしまいました。

赤塚不二夫さんとは一度直接お会いしたことがあります。たぶんこのジャズイベントがあった年の冬だったと思いますが、当時私は東京で学生をしていて、赤塚さんと親交のあった先輩に連れられて、赤塚さんが行きつけだった新宿区落合のあるお店に行きました。そこでは赤塚さんが時々映画のフィルムを持ち込んで上映会をしていたようで、その夜は黒澤明監督の「用心棒」を観た記憶があります。とてもシャイな感じの人でした。漫画はもちろんのこと、映画や演劇とマルチな才能の持ち主でした。ひょんなことからこの弟子屈町にもご縁がありました。

先日、「花音」さんにランチをいただきに行ったときは他にお客様がいたので内部の写真は撮れませんでしたが、基本的な意匠は元のままに、壁紙などを一新してすっかりきれいになった店内は、とても落ち着く雰囲気です。そんな素敵な空間で、おいしいコーヒーとスイーツの数々を楽しんでは如何でしょうか。
Coffee & Sweets 花音 Kanon
営業時間:10:30~17:00
定休日:火・水曜日
とのことです。限定10食の日替わりランチがあります。

北海道の家はあたたかい

弊社のホームページでは,「おんどとり」での外気温のデータがリアルタイムでわかるようになっていますが,私の住んでいる熊牛原野の家でもおんどとりでデータをとっています.センサは4つ設置していて,居間の中央付近,窓際(建築の専門用語ではペリメーターゾーンといいます),床下の土間コンクリート,それと家の外です.居間の2つは温度と湿度を,あとの2つは温度のみです.床下のものは,私の家では温泉熱を利用して土間コンクリートを暖める床暖房にしているためで,床下の温度と室温との相関関係を知りたくて設置しました.外のは直射日光が当たらない北側の外壁に取り付けています.
今朝の最低気温は-18.3℃でした.去年のちょうど今頃にも同じような気温になったとのエントリーがあったから,例年並みなのかもしれません.画像は今朝の私の家の様子で,この分だとこのまま根雪になりそうです.

この1年を振り返ってみると,一番寒かったのが1月12日で,午前6時50分に-26.5℃を記録しています.

その時のおんどとりです.撮影したのはお散歩に行くときだったので7時40分ころですが,それでも気温はほぼ同じでした.気象庁のアメダスを見ていたら,この日の道内の最低気温は「根室中標津」(中標津空港)の-26.4℃でしたから,それよりも寒かったことになります.弟子屈町の市街地と比べても,私の住む熊牛原野は風が弱く放射冷却しやすいのでより気温は低くなりがちです.ちなみにこの日の朝の室温は19.9℃まで下がりました.本州ではもっともっと寒い室温で過ごしている方が多いと思いますが,我が家では普段から24℃前後をキープしているので,この日の朝は寒く感じました.
よく言われることですが,本州の人が北海道に来ると家の中はとても暖かいと言います.本来,北海道の家作りは厳しい寒さを克服するための戦いの歴史とも言え,高断熱高気密そして暖房設備を工夫してきました.今では冬でもシャツ一枚でビールを飲むのが普通になりました.暖かい部屋の中から厳寒の雪景色を眺める,それが今の北海道の家と言って差し支えないと思います.

天気が良い日は陽が入って暑いくらいになります.だれでもお昼寝したくなりますね.

 

温泉熱で暖房が可能な分譲地

今回は温泉熱を暖房に利用できる分譲地のご案内です.

2016051001

しばしば,温泉を暖房に使えないかとの問い合わせを受けますが,原則として浴用のみで暖房への利用は出来ないことにしています.というのも,温泉を暖房に使うには大量に流すことになり,いくらあっても足りなくなってしまうのです.ただ,今回の敷地のように条件がそろえば暖房に使うことが可能です.その条件とは温泉が高温であることと,温泉源に近くて温度を取った温泉を温泉源のタンクに戻す配管が可能な場所となります.

2016051002

暖房の方法は次の通りです.まず,温泉を熱交換器に入れその熱を2次側の流体(一般的には不凍液)に渡します.熱交換器もいろいろ種類がありますが,効率がいいのはプレート式というタイプです.熱を取った温泉はタンクに戻します.

2016051003

2次側は温水パネルで暖めるか床暖房にするかいくつか方法があります.ここではコンクリートを暖める方法をご紹介します.FP板などの断熱材の上に架橋ポリエチレン管を敷設しコンクリートを打設します.管に2次側の流体をラインポンプで流しコンクリートを暖めます.比較的低い温度で温度むらなく暖められるので,快適性の高い方法です.欠点があるとすれば微妙な温度のコントロールがしにくいことです.

ランニングコストについて検証してみます.例えば100㎡(30坪)で,熱損失係数1.5(次世代省エネ基準をクリアするレベル)の住宅の場合,年間に必要な暖房エネルギーは11,415kWhで,灯油に換算すると1,120リットルとなります.灯油価格は近年変動が激しいですが,仮に80円/Lとするとおよそ9万円となります.
今回の分譲地では,建物の床面積120平方メートルまでの場合,年間の暖房用温泉使用量は6万円(税別)です.(別途,浴用の温泉料金が必要です)温泉利用の暖房は二酸化炭素を生じない自然エネルギーで環境に優しい上,経済的にもお得です.

場所は弟子屈町のバイパス近くにあり,静かな住宅街です.残り一区画のみですので,お早めにお問い合わせください.物件詳細はこちらです.