この冬は雪が少なく、その分厳しい寒さが続いています。弟子屈町は年末年始、ほとんど雪がありませんでした。
画像は年末の900草原駐車場にいる牛さんです。
雪がめったに降らないところの人は意外に思うかもしれませんが、このあたりではお天気が雪になると暖かいと感じます。冬は晴れている方が放射冷却で気温は下がるからです。人の感覚は不思議なもので、連日最低気温が氷点下20度なんて日が続いた後に、雪空となり気温が氷点下10度とかで、ああ、今日は暖かいなぁとなります。
年が明けてからやや降りはしたものの、依然として少雪であることにかわりありません。年末からは最低気温が氷点下20度くらいの日が続き、我が家の温度計では1月2日に最低気温氷点下26度を計測しました。知り合いの設備屋さんは今年の正月は休めなかったと言っていました。あちこちで水道管が凍結して修理に追われたそうです。最近の家は普通に住んでいれば水道管が凍結するようなことはありませんが、古い家はそうもいかないようです。
よく雪の無い地方からいらしたお客様に、「どれくらい雪が降るんですか、屋根の雪下ろしとかするんですか?」と聞かれます。北海道=雪国というイメージが強いのでしょう。でもこのあたりは北海道でも太平洋側なので、日本海側に比べると雪は多くありません。もちろん、屋根の雪下ろしをすることもありません。たいがいさらさらの粉雪なので、一時的に屋根の上に積もってもやがて風で飛ばされて無くなります。
一般に寒気が南下し、西高東低の冬型の気圧配置になると、日本海側は雪となりますが、太平洋側は晴れます。この冬は12月初めからその傾向が続き、岩見沢のあたりは記録的な大雪になっていると連日ニュースでやっていて、大変だなぁと思っていました。
それにしても、雪は年々少なくなっているような気がします。子供のころ、冬休みの間は毎日のようにスキー場に行ってスキーをしていました。そのスキー場も今は営業を止めてしまっていますが、かつてのゲレンデだった斜面を見ていてもここ数年は滑れるほどの雪がありません。そこで気象庁のデータを調べてみました。
グラフは記録のある1962年以降の北海道太平洋側の積雪量です。やはり減少傾向なことがわかります。北日本全体のデータもみましたが、減少傾向は同じでした。地球規模のことなので、たかだか60年ほどの期間で判断するのが適切なのかどうかわかりませんが、あるいは温暖化と関係しているのかもしれません。
年に数回、激しい暴風雪に見舞われます。雪が降るだけでなく強風が伴い、視界はホワイトアウト、道路には吹きだまりが出来て、下手をすると立ち往生してしまいます。今年はまだありませんが、必ずあるはず。
そんな大荒れの天気で、舞台を十勝地方とした物語に直木賞作家・佐々木譲さんの「暴雪圏」があります。さすが北海道出身で中標津にお住まいの佐々木譲さんだけあって、状況の描写がとてもリアルです。
とにかく、吹雪いたら外出せずに家に居ることが大事、誰もいないところで雪に閉じ込められたら命取りになります。
北海道はその寒さゆえ、暖かい時期ばかり注目されがちですが、冬は冬で美しい光景が楽しめます。このあたりでは広大な牧草地に無垢の雪原が広がり、その清らかで雄大な美しさは素晴らしいです。また、冷え込んだ朝、樹氷が朝日を浴びてキラキラと輝く様もとてもきれいです。今はコロナの影響でなかなか北海道を旅行するのも難しい状況ですが、冬ならではの北海道の景色も魅力いっぱいなのをお伝えできればと思います。